WordPressブログで記事を書いたら、狙ったキーワードで上位表示することが不可欠です。
検索上位に入れるために、SEO対策を行いましょう。
WordPressの場合、SEO対策プラグインがあるため、導入すれば必要な機能を一式そろえて施策を実施できます。
本記事では、SEO対策に必要なプラグインを3種類に絞って紹介・解説します。
ただし、当サイトでは一部の環境を除き、SEOプラグインの導入は推奨しておりません。
そのあたりの理由や、SEOプラグインを使わないSEO対策の方法を合わせて解説します。
- WordPressのSEOプラグインとは?
- おすすめのSEOプラグイン3つ
- プラグインなしでSEO対策する方法:テーマの機能を使おう
- SEOプラグインが必要になる4つのシーン
- SEOプラグインを導入する際の注意点やデメリット
WordPressのSEOプラグインとは?
WordPressの魅力の一つにプラグインを導入することで機能拡張を行うことが容易な点があります。
SEOプラグインとは、SEO対策を行うための機能をWordPressに追加するものです。
SEO対策を大きく分けると、コンテンツSEOとテクニカルSEOがあります。
コンテンツSEOは作成する文章や画像、場合によってはプログラム・音声・動画などの「中身」に対するもので、主に検索者が検索を行った背景や意図・目的を満たすためのコンテンツ作りを行うことです。
WordPressのSEO対策プラグインが担当するのはテクニカルSEOの方で、具体的な導入目的は、
- 検索エンジンに適切に(正確に)情報を伝える
- 外部リンクを獲得する機会を最大化する
- 内部リンクを強化する
といったことを、「簡単に」「短時間で」実現することがプラグインの導入価値になります。
WordPressの標準機能でできるSEO対策
WordPressの本体機能には、SEO対策用の機能は用意されていません。
例えば、SEOで最も重要なタイトルタグについても、標準機能だけでは自由に設定することはできません。
標準のテーマでは、記事のタイトルがそのままタイトルタグに使われ、最後にサイト名が強制的に付与されます。
また、descriptionについても標準機能では何も出力されませんし、インデックスしたくない記事をnoindexで除外することもできません。
つまり、何らかの形でSEO対策用の機能を強化しないと使い物にならない状態です。
WordPressでSEO対策する際に必要な機能は4つだけ
WordPressでSEO対策を行う際に、実際に必要になる機能はそれほど多くはありません。
- タイトルタグを自由に設定する機能(個別設定・一括設定)
- descriptionを自由に設定する機能(個別設定・一括設定)
- meta robotsにnoindexを設定する機能(個別設定・投稿タイプやアーカイブ単位の一括設定)
- canonicalを個別に設定する機能
実際、使用頻度が高いのは上記の4つくらいです。
上記以外だとsitemap.xmlを生成する機能やSNS向けの機能、リダイレクトなども設定できる方が望ましいですが、運営スタイルや、ブログの個別事情によって必要度合いが異なってきます。
この4つの機能は、SEOプラグインであれば、通常カバーされており、無料で利用可能です。
おすすめのSEOプラグイン3選
WordPressのSEOプラグインはかなり多数登録されています。
今回、おすすめのSEOプラグインを紹介するにあたり、調査してみたプラグインの一覧は以下のとおりです。
- All in One SEO
- Yoast SEO
- SEOPress
- SEO SIMPLE PACK
- Premium SEO Pack
- The SEO Framework
- Squirrly SEO
- Rank Math
SEOプラグインの選び方・基準
SEOプラグインの選び方は、使い勝手と動作の軽量性で選べばOKです。
というのも、設定するべきポイントが少なく、どのプラグインでも設定できるので、SEO対策の機能をWordPressに追加するだけならどれを選んでも同じだからです。
- 無料のまま利用できる
- 日本語対応ができている
- 使い勝手がよく、簡単に設定できる
- 多くの人が導入していて情報が豊富
- 動作が軽快で表示速度に影響が出ない
これらの条件を満たすプラグインとして下記3つのプラグインから選ぶことをお勧めします。
- SEO SIMPLE PACK
- SEOPress
- All in One SEO
主要機能一覧 | SEO SIMPLE PACK | SEOPress | AIOSEO |
---|---|---|---|
タイトルタグ編集 | |||
description編集 | |||
canonical設定 | |||
meta robots設定 | |||
OGP設定 | |||
目標ワード設定 | |||
コンテンツ分析 | |||
XMLサイトマップ生成 | |||
リダイレクト | Pro | ||
ソーシャル設定 | |||
構造化データ設定 | Pro | ||
HTMLサイトマップ | |||
robots.txt編集 | Pro | ||
リンク切れチェック | Pro | ||
インデックス促進 | Pro | Pro | |
RSSフィードの管理 | Pro | ||
アナリティクス連携 | |||
サーチコンソール連携 | Pro | ||
有料版への誘導なし | |||
有料版年額 | 無料 | 49ドル | 49.5ドル |
SEO SIMPLE PACK
SEO SIMPLE PACKは今回紹介している中では最も動作が軽く、最もおすすめしたいプラグインです。
WordPressテーマ「SWELL」の純正プラグインでもありますが、SWELLを使っていなくても違和感なく使用できます。
海外製のプラグインはバージョンアップが行われるたびに、追加された機能の部分に英語が残ったりしますが、SEO SIMPLE PACKは国産プラグインなので日本語化されていないということは発生しません。
機能が絞られているので全容を把握しやすく、動作も軽快、導入しているWordPressテーマと機能が競合しにくいので無駄がありません。
とりわけ、SWELLを使っているなら一択と言っても過言ではありません。
≫ SEO SIMPLE PACK(プラグインディレクトリ)
SEOPress
SEO SIMPLE PACKには sitemap.xml や HTMLサイトマップの生成機能がないので、別のプラグインで対応しないといけません。
もう少し多機能な方が良い、という場合は SEOPress がおすすめです。
SEOPressは海外製のプラグインですが、ほぼ日本語化されているので困ることは少ないはず。
加えて、強引な有料版への誘導がなく、管理画面もスッキリしてシンプルにまとまっているので使いやすさが抜群です。
SEOPressの最大の魅力は導入しているWordPressテーマと機能的に競合しにくい点です。
例えば多くのWordPressテーマで実現できる機能として、個別記事毎にタイトルタグを編集する機能があります。
SEOPressでももちろんタイトルタグの編集機能はありますが、そのまま使うと機能的に競合することになります。
SEOPressでは、一つ一つの機能をオフにする機能があり、WordPressテーマが持っている機能はそちらに任せ、不足する部分だけを使う、といったことが可能です。
多機能系のSEOプラグインでは、基本的なSEO機能はオフにできないことが多いので、基本機能のレベルでもオフにできるSEOPressは貴重な存在です。
SEOプラグインと言えば、All in One SEOとYoast SEOが有名です。
SEOPressは知名度こそ低いものの、機能的には無料版でもリダイレクトの機能を使えるなど十分多機能で、設定画面も非常にわかりやすいので多機能系SEOプラグインではイチオシです。
All in One SEO(AIOSEO)
2007年にリリースされ、おそらくSEOプラグインでは最も多機能で有名なプラグインです(有効インストール数300万以上)。
以前はAll in One SEO Packと言われていましたが、2020年に大幅なアップデートが行われた際に「Pack」がなくなりました。
人気のプラグインですが、今回紹介するSEOプラグインとしては最もおすすめできません。
- 日本語化が不十分
- 有料版への誘導がかなり強い
- 機能が多すぎてどこで設定するのかわかりにくい
- ときどき重大なセキュリティエラーが発見される
- インターフェースを凝りすぎて逆に使いにくい
あえておすすめできる点を挙げるとするなら、老舗の安定感や情報が豊富な点。これにつきます。
SEOプラグインでは最も老舗のプラグインですので、利用者が多く、わからないことが仮にあっても少し調べてみればすぐに答えにたどり着けます。
多くの人が使っている安心感を優先して決めるならAll in One SEOがおすすめです。
All in One SEOとよく比較されるのがYoast SEOです。
実はAll in One SEOよりも有効インストール数も多い(500万)のですが、今回おすすめには含めていません。
というのも、All in One SEOとさほどできることに違いがなく、日本ではAIOSEOの方がよく使われている印象があったためです。
ただ、All in One SEOはセキュリティリスクが発生しがちなので、多くの人が使っていてセキュリティリスクの低い方を選ぶならYoast SEOの方をお勧めします。
プラグイン無しでSEO対策する方法
SEOプラグインは機能を山ほど盛り込んでいるものが多いのですが、実際に使う機能は限られています。
必要な機能に絞ってSEO対策機能を取り入れる方法を次に紹介します。
① WordPressテーマのSEO機能を使う
現在日本製のWordPressテーマには基本的なSEO対策機能が当たり前のように搭載されています。
機能 | SWELL | Affinger | THOR | Cocoon | DIVER | JIN | SANGO | STORK | 賢威 | Lightning | Luxeritas |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
タイトルタグ編集 | |||||||||||
description設定 | |||||||||||
canonical設定 | |||||||||||
meta robots設定 | |||||||||||
リダイレクト | |||||||||||
構造化データ設定 | |||||||||||
HTMLサイトマップ | |||||||||||
アナリティクス連携 |
※上記、SWELLは純正プラグインであるSEO SIMPLE PACKを導入している前提での比較です。
② 不足する機能だけ別のプラグインで補う
SEOプラグインは「全部入り」のため、どうしてもWordPress全体の表示速度を低下させてしまいがち。
対策として、WordPressテーマのSEO機能をフル活用しつつ、不足する機能だけを専用プラグインで補うと表示速度を低下させずに必要な機能が手に入ります。
不足する機能 | 対応プラグイン |
---|---|
XMLサイトマップ生成 | XML Sitemap & Google News XML Sitemaps |
HTMLサイトマップ生成 | WP Sitemap Page PS Auto Sitemap |
リダイレクト | Redirection |
概ねWordPressテーマ本体に含まれていないのは上記の3機能くらいなので、個別に導入するようにしましょう。
SEOプラグインの必要性
冒頭にも述べた通り、当サイトのスタンスとしては、SEOプラグインは導入しなくても大丈夫、というスタンスです。WordPressテーマ本体が十分に多機能になっているためです。
しかし、SEOプラグインを導入したほうがいいというケースもありますので、どういったケースなのかを解説します。
SEO機能が含まれていないWordPressテーマを使う場合
SWELLやSTORK19といった、本体にSEO機能を取り入れていないWordPressテーマを使っている場合はSEOプラグインの導入が必須です。
導入するプラグインは本記事でおすすめしている3つのプラグインのどれかを導入すればOKです。
特にこだわりがなければSEO SIMPLE PACKを使うのがおすすめです。
WordPressテーマを変更する可能性がある場合
ブログで使用するWordPressテーマを後々変更する可能性がある場合は、最初からSEOプラグインを使っておくことをおすすめします。
というのも、WordPressテーマの固有機能でタイトルタグやdescriptionの設定を編集していると、テーマを変更した際に引き継がれないためです。
テーマの乗り換えを行った際に、検索順位が下がってしまうということを避けるためには、最初からSEOプラグインで設定しておけばSEO設定はすべて引き継げるので安心です。
SEO関連機能を一つのプラグインにまとめたい場合
SEOプラグインは多機能なものが多いため、通常であれば個別に導入する必要のあるプラグインを一つにまとめることができます。
一つのプラグインにまとめることで、管理が簡単になる・プラグインの数を減らせるのでWordPressの表示速度が上がるというメリットがあります。
- XMLサイトマップ生成(XML Sitemap & Google News や XML Sitemaps )
- HTMLサイトマップ生成(WP Sitemap Page や PS Auto Sitemap)
- リダイレクト(Redirectionなど)
上記はWordPressテーマの標準機能で含まれていないので、個別にプラグインを導入して対応することになりますが、多機能なSEOプラグインを使うことで1つにまとめることができます。
現在既に上記のようなプラグインを導入していて一本化できる場合は導入しても良いでしょう。
SEOプラグインを使う際の注意点とデメリット
最後に、SEOプラグインを導入する際の注意点やデメリットについて整理しておきます。
繰り返しになりますが、当ブログでは、WordPressテーマのSEO機能を最大限使いつつ、不足する機能を個別のプラグインで足すという使い方をお勧めしています。
テーマの機能と重複する場合がある
WordPressテーマのSEO対策機能とSEOプラグインの機能が重複してしまった際に、例えばOGPタグが同一のものが2つ出力されてしまう、といったことが起こりかねません。
WordPressテーマのSEO機能は停止することができない場合が多いので、SEOプラグイン側で機能を停止するなどの対応を取りましょう。
複数のSEOプラグインを入れるのはご法度
SEOプラグインは導入する場合はどれか一つにしぼって導入するのが基本です。
複数のプラグインを入れてしまうと、同じタグが複数出力されてしまったり、動作が重くなってしまうなど、かえって順位に悪影響を及ぼしかねません。
導入の際は基本1つに絞って導入しましょう。
導入前にバックアップを取る
SEOプラグインに限ったことではありませんが、念のためにバックアップをしっかりとっておくようにしましょう。
- SEOプラグインは出力されるHTMLソースに直接変更に加えるプラグインである
- テーマの機能で個別に設定した内容はプラグインに適用されない
- タイトルタグやdescriptionを一括設定すると、大きく変更が加わることがある
- サイト全体に影響を及ぼす設定が多い
- 機能が豊富な分、細かい部分を見落としてしまうことがある
SEOプラグインは動作の特性上、サイト全域に影響が出ます。
サイトの立ち上げのタイミングに導入してしまえば問題になることは少ないのですが、運用中に導入すると、リスク化しかねません。
万が一の際には元の状態に戻せるようにしておくようにしましょう。
SEOプラグインを入れたら即検索上位に上がるわけではない【悲報】
SEOプラグインの導入目的は検索順位を上げることですが、導入したら確実に順位が上がるというものではありません。
SEOプラグインが担っているのはあくまでテクニカルSEOの部分であり、検索エンジンに正しく情報を伝えられるように設定する機能をWordPressに付与しているにすぎません。
現在のSEOは、検索されたキーワードの検索意図と、コンテンツとの関連性が重要であり、記事を読んだ読者が課題を解決できたかどうかが評価されます。
ですので、SEO対策プラグインを入れただけでは順位が上がるというわけではないので、良質なコンテンツ作りを継続しましょう。
まとめ:SEOプラグインを導入する際はメリットとデメリットをよく考えて
おすすめのSEOプラグインを紹介し、必要性について解説しました。
- WordPressテーマにSEO対策機能がついていない・不十分な場合
- 後からWordPressテーマを変更する可能性がある場合
- プラグインを減らして高速化と一括管理をしたい場合
- SEO対策プラグインを導入すれば順位が上がると思い込んでいる場合
- WordPressテーマに十分なSEO対策機能が盛り込まれている場合
- SEO SIMPLE PACK:シンプルで高速、必要十分で設定も簡単
- SEOPress:競合が少なく必要な機能だけ有効化可能
- All in One SEO:全部入りでやや重く、セキュリティリスクになることも多いが、たくさんの人が使っている安心感がある
SEO対策プラグインに出てくるHTMLタグについては下記を一読しておくと理解しやすいはずです。
また、SEO対策をする上で、順位計測ツールを導入されていない場合は是非導入しておきましょう。