ブログのペルソナって何ですか?
会社ではマーケティングの際にペルソナを設定していますが、ブログでも設定するべきでしょうか?
こんな疑問にお答えします。
ペルソナは手段ですので、使い方を暗記するのではなく、目的を知った上で活用できるようになるのがポイントです。
本記事では、ペルソナという耳慣れない言葉の意味から、具体的な設定方法、ペルソナを活用した記事の書き方まで解説しています。
アクセス数と収益をさらに上げていく際のきっかけになることもあるので是非習得してください。
- ブログにおけるペルソナとは
- ブログでペルソナを設定するメリットや目的
- 設定するタイミング
- 具体的なペルソナの作り方
- ペルソナキャンバスを使った整理法
- ペルソナの活用方法
ブログのペルソナとは想定読者のこと
ブログにおいて、ペルソナとは想定読者のことです。
似た言葉に「ターゲット」というものがあります。
- ターゲット(抽象的・範囲的)
-
40代既婚男性
- ペルソナ(具体的・人物像)
-
博多在住40代既婚男性。
最近課長に昇進し部下が8人いる(年収750万円)。週末は子供と一緒に出かけることが多い。健康診断を受けて太りすぎと診断されたので運動を始めようとしている。ガジェット好きで新しいモデルが出るたびに奥さんに購入していいか聞くが大体ダメだといわれて凹む。
上記のような違いがあります。
ターゲットがややあいまいで、具体的な人物像を特定せず「マス」でとらえているのに対し、ペルソナはターゲットの中にいる模範的な個人を指すようなイメージです。
ブログでペルソナを設定する目的・メリット
ブログ記事を作ったりする際にペルソナを設定する目的やメリットについて解説します。
企業のマーケティングで使うペルソナとは利用目的が異なる
通常のマーケティングの際に使われるペルソナと、ブログでのペルソナはやや利用目的が異なります。
個人ブログ | 想定読者 |
---|---|
企業でのマーケティング | 認識共有 |
上記の通りです。
企業のように、チームでマーケティングを行う際には、認識を共有することが重要になります。
この時に「ふわっとした」あいまいなターゲット像だけだと、会話の際に見解の差が生まれやすく、平たく言えば喧嘩になりやすいのです。
できるだけ具体的な人物像にするために、わざわざ名前まで付けることもあります。
具体的なユーザー像・ターゲット像を「ペルソナ」として定義して共有することで、認識が一致し、議論が進みやすくなる効果があります。
ブログのペルソナは通常よりも細かく設定しないで良い
一方、個人ブログの場合はあくまで想定読者の範囲を超えません。
個人ブログは他の人と認識を合わせることが不要なので、細かな設定をしてもあまり意味がありません。
よって、個人ブログの場合は、ざっくりしたペルソナ像でよく、もっと言えば実在の人物が想像できればベストな答えとなります。
想定読者のニーズ・検索意図をつかむのが最大の目的
ブログにおいて、わざわざペルソナを設定するのは、
- 想定している読者のニーズを深堀り
- SEOでも重要になってくる検索意図を特定するのにイメージが湧きやすいため
この2点につきます。ペルソナを作ること自体を目的化しないように注意しましょう。
執筆速度が上がり、読者の心に響く記事が書ける
ブログでペルソナ(=自分の知っている人)を設定すると、執筆速度があがり、読者の心に響く記事が書けるようになります。
なぜなら、その人を目の前にして語りかけるように記事を書くことができるようになるからですね。
検索意図やニーズをつかむというのは商材によってはわざわざペルソナを設定しなくても答えが出ていることが少なくありません。
ですが、実際の記事を書く段階になると、誰かに話しかけている前提で書くとかなりスピーディに書けることに気づくはずです。
ブログのペルソナの設定をするタイミング
ブログにおいて、ペルソナを設定するタイミングというのは大きく2つのタイミングがあります。
ブログ全体・カテゴリ全体でのペルソナ設定
一つ目は、ブログ全体や、カテゴリ全体でのペルソナ設定です。
通常、ブログは記事をキーワード単位で書いていきます。
ほとんどの記事は検索意図が特定しやすい3語ワードくらいを前提に書き進めることになりますが、1語目・2語目までは一致していることが多く、記事毎にそこまで大きく想定読者像は変化しません。
- 格安SIM 乗り換え タイミング
- 格安SIM LINE ID検索
- 格安SIM メリット デメリット
例えば格安SIMの案件を取り扱うブログやカテゴリであれば、上記のようなキーワードで記事を書くことがあるでしょう。
キーワード毎に、想定読者がガラッと変わるかと言われたら「格安SIMの乗り換えを検討しているユーザー」というくらいで大体似通った人物像になるはずです。
個別記事では検索のきっかけを中心に差分を設定
もちろん、個別記事で全くペルソナ設定が不要かと言えば多少の差分が出るのでそこは吸収し、必要に応じて別のペルソナを設定するといったことも必要です。
例えば、ブログ全体での想定読者が「格安SIMへの乗り換えを検討しているユーザー」だったとすると、
- 格安SIM 繰り越し
- 格安SIM WiFi 自宅
とかだと、「格安SIMを既に使っている人が使い方を探している」という可能性も出てきます。
個別記事では、検索のきっかけになる背景部分や、目的になる部分に多少の差が出ることが多いので、差分だけ上書きするようなイメージで設定しなおせばOKです。
具体的なペルソナの人物像の作り方
企業で行うマーケティングは、ターゲットから架空のペルソナを作り、ジャーニーマップなどの作成に進みますが、ブログにおいては自分の知っている人を中心に設定すると作りやすくなります。
過去の自分
最も簡単なのは過去の自分です。
過去の自分にアドバイスする形で書き進められるのでよく用いられている方法です。
身近な家族や友人・同僚
過去の自分が当てはまらない場合は、そのジャンルの商品を使う可能性のある友人・家族・同僚を持ち出しましょう。
記事を書く時も、彼らから悩み相談を受けて答えるようなシチュエーションを想像したり、口コミで好きな商品を紹介してあげる状況を想像すると書きやすくなります。
当てはまりそうな知り合いがいない時の対処法
自分の生活圏に居る人だと当てはまらないような場合は架空の人物を作るしかありません。
架空の人物像を作る方法として例えば下記のようなものがあります。
マンダラで大まかな人物像を想定する
ペルソナを考える際によく用いられる切り口として、
- デモグラフィック情報:性別・年齢・職業・年収・家族構成など
- サイコグラフィック:性格・ライフスタイル・趣味など
の情報を整理する方法があります。
ブログ記事を書くにあたって、このくらいの情報をなんとなくでも想定しておくと良いのでは、と思える属性情報をマンダラチャート型に整理したツールを作成しました(上図)。
≫ ペルソナマンダラチャートをダウンロードする(無料・183KB)
使い方は8つの軸について、さらに8つの答えの中から当てはまるもの全てに〇をつけていくだけです。特にペルソナ作成に不慣れな方におすすめです。
知っている人物の掛け合わせ
自分の知っている人に必ずしも設定できる人がいない場合の対処法として最も簡単なのは、人物の特性を掛け合わせることです。
同僚Aと友人Bを掛け合わせてみる、みたいな感じですね。知ってる人物で設定する延長になります。
レビュー
サービス系のジャンルだと、大抵はスマホアプリを用意しています。
アプリ自体の使い勝手に関するレビューなども多いですが、サービス内容そのものについての言及も多くみられます。
物販系ならAmazonや楽天のレビューを参考にすると、購入者が気にしているポイントや悩みの内容といったものが見えてくる場合が少なくありません。
FAQサイト
FAQサイトでサービス名・商品名・キーワードで検索すると、関連した質問と回答が列挙されます。
質問に至った経緯を中心に見ていくと利用者がどんな点に課題を感じているかがズバリわかる場合があります。
個人ブログでは、筆者が想定読者をイメージできることが重要なので、ふわっとした架空のプロフィールの内容を決めるというより、ユーザーが持っている疑問や課題を特定することが重要です。
ペルソナキャンバスで整理
ブログでペルソナを設定するなら、誰か特定の人物を設定するのがベストです。
概ね人物を特定したら、その人がどんな悩みを持っていたり課題を抱えているのかを整理しましょう。
整理する際に便利なのがペルソナキャンバスと言われるモデルです。
願望・悩み・ゴール(Value・Goals・Job to be done)
ペルソナが抱えている悩みや願望、最終的に成し遂げたいことなどを定義します。
制約・状況(Situation)
その願望や悩みがどんな状況で生まれ、どういう制約があるのかについて定義します。
最小化したい・最大化したい成果(Pain・Gain)
ペルソナが最小化したい、あるいは最大化したいと考えていることを想定します。
感情(Empathy)
課題を解消することで、どう感じたい(または感じたくない)のかや、他人からどのように思われたいかを想定します。
代替手段(Existing Alternatives)
課題を解決する手段が何で、別の方法はないのかを確認します。
支払い意思(Willing to pay)
その課題の解消のために、いくらまで出せるのか、について定義します。
情報源(Info sources)
普段情報を得ているソースが何かと考えて構いません。口コミのような人物から得る情報もここに含まれます。
特性・属性(Demographics・Attribute)
誰でも持っている市場を分類するのに基準になる基本的な情報のことをデモグラフィック情報といいます。
- 年齢
- 性別
- 年収
- 住所
- 職業
- 家族構成
- 休日の過ごし方
- 学歴
- 趣味
ブログのペルソナ設定を活用する方法
ブログでは一般的なペルソナ設定よりももう少しアバウトに設定してよく、具体的な知人やリアルで会った人・過去の自分などを特定の一人を決められればOKです。
次にそのペルソナを使って、実際に記事を書いたり訴求を考えたりする方法を紹介します。格安SIMジャンルを例に解説します。
キーワード選定時に活用
- ペルソナ(想定読者)の悩み・したいことが何かを具体的に言語化する
- 検索を行うシチュエーションを想像する(季節・時間帯・きっかけなど)
- 実際に検索を行う際にどのようなキーワードを使いそうか想定する
ペルソナが決まっていると、実際に使われるキーワードが見えてきます。
- 悩み・したいこと
-
キャリア携帯は高いと感じている。格安SIMに乗り換えて、通信の品質を多少下げてでも料金を大きく下げるようにしたい。具体的な乗り換え先としてどこがあるのか知りたい
- シチュエーション
-
同僚にキャリアから格安SIMに乗り換えたことを聞いて知った。難しそうなので下調べが必要になりそうだから今度の休日に検索してみよう
- 実際に使うキーワード
-
格安SIM メリット
格安SIM 乗り換え
格安SIM MNP 手順
などなど。
検索意図(疑問や悩み)の特定に使う
- 最小化したいこと・避けたいこと(Pain:痛み)
- 最大化したいこと・得たいこと(Gain:得るもの)
- 自分がどう感じたいのか・他人からどう思われたいのか(Empathy:感情)
- 代替手段(Existing Alternatives)
- 支払い意思・支払い可能な上限金額(Willing to pay)
ペルソナ設定をした人物が上記をどのように考えているのか想像します。
これを想像することで、実際のライティングに落とし込むことができます。格安SIMの例で行くと下記のようになります。
- 最小化したいこと・避けたいこと
-
携帯電話に支払う料金を最小化したい・携帯会社変更に伴う失敗を避けたい
- 最大化したいこと・得たいこと
-
キャリアから格安SIMに乗り換えることで生まれる差額(格安SIMの料金はピンキリなので安い方が良い)
- どう感じたいか・どう思われたいか
-
安くできることで無駄な出費をしていないと感じたい。賢く節約する人と思われたい。
- 代替手段
-
なし
- 支払い意思・支払い可能な上限
-
キャリアに月8000円支払っているので、それ以下なら支払える。
訴求方法に活かす
上記のような項目について調べておくと、ライティングする際にスムーズに記事を作成できますよね。
何を気にしているのか特定できるので、「先回りして」刺さる訴求を含めるようにします。
- 効果やメリットをしっかり訴求
-
乗り換えによって月々どのくらい浮くかだけでなく、年間になおした方が金額が大きくなるので年額で7万円以上安くなる旨を記載。
男性でガジェット好きなので新型のiPadも買えるという例えを入れる。(有意義な出費に変えたと思いたい)
加えて妻から褒められたエピソードを添える(他人にどう思われたいか)
- デメリットを事前につぶす
-
キャリアに比べれば日中つながりにくくなるが、スピードテストサイトの結果を表示し、ウェブの閲覧程度であれば十分であることを提示。動画視聴はかなり厳しいこともしっかり伝え、逆に信頼を受けられるようにする。
- ネックになるMNPについては詳しく説明
-
土日にじっくり読んでくれると思われるため、不安になりがちなMNPについては簡単にできるという訴求より、正確に理解し自信をもって進められる訴求に注力する
ペルソナ設定をして記事を書いたら答え合わせをする
設定したペルソナが正しかったかどうかは検索順位を見て答え合わせをしましょう。
順位チェックツールでの検索順位計測
検索順位のチェックは、順位チェックツールを使うのがおすすめです。
WindowsならGRC、MacだとRank Trackerがおすすめです。
手動でチェックするのに比べて以下のようなメリットがあります。
- 大量のキーワードもチェックできる
- パーソナライズ化の影響を受けない
- 過去の順位の履歴を比較しやすい
- 設定時間に自動で順位をチェックできる
- 順位の変動をキャッチアップできる
- リライトするべき記事を見つけるのに使える
アクセス数と広告クリック率の確認
順位計測の他に、実際のアクセス数と広告のクリック率も確認しておきましょう。
アクセス解析を使って作成したページからどのくらいの流入があり、広告リンクを設定している場合は何回くらいクリックされているのかを見ることで、クリック率を知ることができます。
ペルソナ設定が正しく設定できればできるほど、高いアクセス数やクリック率が得られているはずです。
ペルソナを設定する上での疑問・よくある質問
- 現在はペルソナを特に設定していません。十分なアクセスや収益が発生していますが、やはりペルソナを設定したほうがいいでしょうか?
-
現時点で十分なアクセスや収益が得られているなら特に設定しなくても構わないです。
ペルソナの設定はあくまでツール・手段であり、目的ではありません。無意識のうちにできていた、ということもあり得ます。
- ブログのペルソナを設定する必要性がイマイチわかりません。本当に必要でしょうか?
-
ペルソナを設定すると、記事の執筆速度があがったり、意識して初めて気づくキーワードが見つかるといった効果があります。感情移入しやすくなるためです。
もし、記事を書いて、「この内容で読者は満足できるだろうか」と疑問に感じることが多いなら設定した方がいいでしょう。
- ペルソナを使ってみたのですが、記事内容が逆に偏ってしまった気がします・・
-
ペルソナを設定する際に、理想や主観に頼った設定をしてしまうと、内容に偏りが生じる場合があります。
解決策として、複数のペルソナを設定する方法があります。
また、時間の経過とともに見直しをする方がいい場合もあります。
まとめ:ペルソナ設定で想定読者を具体化し、アクセスアップと収益アップにつなげよう
ブログでペルソナを設定する方法や、活用方法について解説しました。
具体的な想定読者像を設定することで、読者の悩みや課題をイメージしやすくなるので、質の高い記事が書けるようになり、アクセス数アップや収益アップにつながる可能性が高くなります。